こんにちは、うしです。
今回は医学書と医療文庫の決定的な違いについて、具体例を挙げて説明していきます。
(決して以下の著作物をお勧めしているわけではありません!)
近藤誠さんいう人の書いた「医者に殺されない47の心得」など、以前比較的話題になりましたね。
今も本屋に行くと結構最前列に並んでいます。
自分も立ち読みで読んだことがあります。
文章を書いて論じるのはうまいと思いましたが、論理の矛盾が多々あったりもっと一般的に考えないといけないことを隠してたり、非常にあくどいなと思いました。
これに対する批判は、あのwikipedia先生にもそれなりに書いてあります。
自分の患者さんでも2人ほど、彼の意見に耳を傾けてしまい、手術をすれば治る早期がん(肺がんなど)を放置してしまった方がいます。
(循環器内科なのでがんは専門外なのですが)
その後通院されなくなったためどうなったかわかりませんが、それなりに説得しても聞いてもらえませんでした。
医学書と医療文庫の内容の違い
まず、医学書は、医学書コーナーにあり、主に医者や看護師はじめ医療スタッフ向けに書いてあります。
著者はもちろん医療関係者です。
内容も医療者が勉強のために書いているため、専門的な内容となります。
需要が少ないこともあり、お値段はお高めです(3000-10000円くらいが多いです)。
一方で医療文庫(いわゆる新書)の場合、医師が書いているものも多いですが、著者はまちまちです。
内容も主には一般の人向け(このブログもですが)に書かれています。
一般の人向けのため、需要も多く、読み物的なものであり、お値段はお安めです(500-1000円くらい?)
医学書と医療文庫のアウトカムは何か?
アウトカムとは、結果・成果のことです。敢えてのアウトカムですが、自分は≒ゴールだと思っています。
つまり何を最後の目的(ゴール)なのかということです。
医学書の最終的なアウトカムは本が有名になり売れて印税が入ることだと思います。ただしそのためには、例えば医療者同士の口コミやAmazon等のレビューなどで、教科書としてふさわしいかの評価を受けなければなりません。
また自身の医療者としての名誉や功績、何なら著者自身の勉強のためにも、全力で最新の正しい医療内容を盛り込まれるのが普通です。
(もしくは研修医など向けにわかりやすい書物を作る場合もあります)
1冊1冊が高価な分、買う際も慎重になるため、内容を吟味したり少し下調べしてから買うことが多いです。
一方で、医療文庫の最終的なアウトカムも印税が入ることで同じかと思いますが、その手段が異なります。
作家ではないので、「あの医療文庫の著者の本を読みたい」ということはあまり多くはなく、実際多いのは本屋で目について気になったから買う、というパターンではないでしょうか?
そのためアウトカムを達成するためには、正しいことではなく、インパクトのあること(特に表紙)を書き、とりあえず読者のカートにまでたどり着けばよいのです。
もちろん内容に嘘があったりつまらなければ本屋の最前列には立てず、レビューでの評価も下がりますが、嘘がない程度にほどほどに論じておけば、医療について素人の読者は十分ということになります。
近藤氏の本が印税をもらうためとは言いませんが、逆に医学書に準じて考えているのであれば、むしろ医者としてヤバいと思います(笑)
本が売れるためだけに書いていると言われた方がスッキリします。
(ただし人の命がかかっている内容のため自分は認めませんが)
その情報のアウトカムを意識していますか?
私事ですが、最近株などの投資を初めて、情報についてものすごく考えるようになりました(笑)
先ほどの例にも習い、本のアウトカムは本が売れることです。あなたの健康がアウトカムではなく、売れることです。
テレビ番組のアウトカムは視聴率であり、結果的にその番組の評価とCMの広告料だと思います。
youtubeやブログのアウトカムも、内容が評価され、その結果自身が認められることand/or広告料かと思います。
(自分も最近youtube始めました。医療系のニュースや循環器中心の解説動画を発信しているためよかったらお願いします!笑)
投資の情報の多くは、気になる記事を書いたことによるアクセスとそれによる2次的な広告料かと思われます。いい記事を書いた方がアクセスは増えますが、あくまでアウトカムはアクセス>読者の投資の成功ということは意識してしまいます。
そういう意味では、twitterが一番flatな情報源だなあと最近思っています。
ただしうしブログやTwitter、youtubeも含めてですが、
正しい情報かどうかは自分でしっかり判断することが大切だと思っています。
今後もできるだけ欲のないイーブンな情報を発信していきたいです。
今日はくるまっています(笑)