循環器内科うし先生のほのぼのブログ

北海道の中規模病院で勤務する循環器内科医のうし先生です。

医者が患者として受診した感想

こんにちは、うしです。

 

 

 

 

今回は、皆さんに有益な情報ではないと思いますが、久しぶりに耳鼻科を受診したので、自分が患者として受診したときの感想と、振り返りを書きたいと思います。

たぶん医師以外でも医療者であれば共感してもらえるかと思いますし、そうでない方は「前病院受診して医者あんなこと言ってたけど、自分の身になったらそうなんだ(笑)」と、くすっと思ってもらえたら十分です。

 

 

 

 

 

受診時に医療者と名乗るべきか

 

 これ逆に聞きたいんですが医療者の読者様はどうしてますかね?(笑)

 

自分が診療する側であれば、きちんと名乗っていただきたいです(笑)

というのも、医療者であれば通常よりやや専門的内容もお話することもありますし、平易な言葉に直さないこともあります。相手が薬剤師さんなのに薬の副作用を説明するのものもはやおこがましいです(ただし相手は患者さんという立場で来ているので最低限の説明はするべきですが)。

 

とりあえず自分が受診するときは、職業欄があれば記載するけどわざわざ名乗ったりはしない、というところです。「あ、ちなみに僕医者なんですが…」って、何故来たしって思われそうですし(笑)

 

 

 

 

 

医者が受診するときは優遇されるか

 

結局医療者(特に医者)だと変わるかということなのですが、

結論から言うと、自分の病院だと優遇してくれますが、他院(調剤薬局含む)だと特に変わらなかったイメージですね。

待ち時間は平等ですし、検査の流れなども丁寧に説明してくれます。

 

 

 

 

 

 

①のどのつまり感で耳鼻科受診(咽喉頭がん!?)

 

 ここからは具体的に3個例を挙げて思い出を書いていきます。(笑)

 

1つ目はつい最近なのですが、1か月ほど前からのどのつまり感がありました。まるできついワイシャツでのどが圧迫されている感じですね。

ネットで調べてみると、咽喉頭異常感症というのがぴんと来ました。なんとなく原因がわからない違和感のようですね。恥ずかしながら自分医者ですがこの病名知りませんでした。

ただし、改善なくむしろ悪化傾向なのが気がかりです。僕たち内科は慢性的に進行する病気の代表はがん(悪性腫瘍)なので、咽頭がん喉頭がんが心配になりました。

と言ってもタバコは吸ったことないし、まだ20代だし…

 

たまたま当直明けに近くの耳鼻科に行き、主訴と経過と「検査希望」(喉頭ファイバーというのどのカメラを意識して) と問診表に書いて待合で待ち、比較的早く呼ばれました。

早々に予想通り喉頭ファイバーで検査をされると、上咽頭と喉頭に炎症性変化がありました。結果も見せてもらい、「ぎょ!」という感じでした。上咽頭炎と診断されまずは薬で様子見となりました。

自分としてはストレスのせいかと自己診断していたこともありましたが、診断がつき対症法がわかるとかなり安心になりました。

 

 

 

 

 

 

 

②足の皮むけで皮膚科受診(水虫!?)

 

 足の皮むけがひどい時期がありました。

自分で見たところ、「水虫のような気もする」程度しかわからず、近くの皮膚科に行きました。

 

ちなみに、水虫(白癬)かどうかは顕微鏡で検査をしないと皮膚科専門医でもわからないので、見て判断はできません。

 

あともう1つちなみに、母親が水虫関連で強迫性障害(病的な潔癖症のような)で最終的に錯乱してしまい今も精神科の閉鎖病棟で入院しています。そのため水虫には自分もかなりネガティブな印象が強いです。

 

話は戻り、皮膚科で待っていましたが、まあなんと待つこと!(と言ってもトータル60分くらい)。

自分の1つ前の方と少しトラブルあったようで、それもあったようです。

(口論などでなくても重症者がたまたま前後にくると自分みたいな軽症はかなり待たされることは多々あります)

 

しばらく待って、水虫の検査をしてもらい、さらに待ちました。

先ほど書いたとおり、自分は水虫にすごく嫌な思い出があるため、もうひやひやです(笑)

 

最終的に陰性でした。「!!!」かなり嬉しかったですね。

以前ブログで検査の精度の話を力説したにもかかわらず、1回の陰性で有頂天になりました(笑)

やはり患者側に立つと何であっても陰性は嬉しいですね。

 

このときは医者とは言っていなかったこともあり?診断はふわっとしたことしか言われませんでしたが、角化予防のクリームを処方され、現在も改善傾向です。

 

 

 

 

 

③高熱と頭痛で近医内科受診(髄膜炎!?)

 

これは医学生のときです。真夏に(インフルなど流行していないとき)に40度近い高熱と強い頭痛だけが数日持続したことあり、近所の少し大きい病院の救急外来にかかりました。

比較的待たなかったのですが、自分も医学生であったため(名乗らず)ただの風邪ではないことはわかり、脳の感染の髄膜炎ではないかひどく心配しました。

 

問診表にも看護師さんにも、「咳や鼻汁、咽頭痛などの風邪症状はなし」と繰り返し伝え、風邪ではないんだようー!ということをとりあえずアピールしました。

 

しかし診察のときには数事質問され、ルーチンの診察だけされたあと(僕はこれを儀式行為と呼んでいます(笑))、「風邪ですね」と言われました。

「!?」と思い、生意気にも

「咳も鼻水ものど痛もないのに風邪なんですか?」

と聞いちゃいました(笑)。

「・・・風邪ですね・・・」

少し自信がなくなっていましたね(笑)

ただし、結局処方は咳止めやのどの炎症止めなど風邪薬だけでした。「咳でてないっつーの!」

 

一応このあとは自然に治りました。広い意味では風邪だったのかもしれません。

後日、感染症内科医とこの話をし、なんだと思うか聞いたところ、

「ヘルパンギーナなどの無菌性髄膜炎だったかもしれないね。大事にならなくてよかったね」

と言われました。

 

受診のときに医学生と伝えていたら変わってたでしょうか?それで診療の内容が変わるのはおかしいですが(笑)

いずれにしても、風邪に準じて様子みるにしても

「咳などもなく風邪としては非典型的ですが、風邪の初期は同様に症状が揃わないことも多いし、広い意味でウイルス感染症の初期で矛盾なく、まだ体力の余地があるから、薬で様子見ましょう」

など、こちらの話をしっかり聞いて、そのうえで共有してもらえたらよかったです。

 

 

 

 

 

 

 

感想のまとめ

 

感想としては、とにかく初心を思い出せられますね。

 

検査を待ったり、具合悪いときの患者さんの気持ちや不安がよくわかります…と言いたいところですが、自分のは本当に軽症なので、本当に不安など強いんだろうと思います。

 

また採血などは気軽にオーダーしてしまいますが、結構痛くて嫌ですね(笑)

特に不要なものは控え用と思います。

 

あとは医師と話す時間は短いので、言われたことはよく記憶に残ると思いました。

診療する側の場合、たくさんの患者さんを相手に、中には重篤な話も結構しているため、何気なく言ったことはあまり記憶に残っていないです。

例えば、「たぶん大丈夫ですね!」と言ってしまいがちですが、患者側になるとこの「たぶん」が心配になります。

(診療する側だとあまり記憶に残りにくいです)

 

あとは待ち時間も長く感じます。

診療している側は結構せかせかカルテ書いたり予約検査や処方などやっているのですが、外で待っていると何を中でやっているのかわからないこともあり、待たせすぎでないか?と思ってしまいますね。

(言い訳させていただくと、診療する側はかなり頑張っています!!)

 

あとは(自分医者なのに)結構緊張しますね。診療する側は全く緊張しないので、相手が緊張しているんだろうなあと意識するのは大事だと思いました。

 

あとは、薬をきちんと飲むのはすごく難しいと感じました。

先日も2日連続当直(家に帰るのが3日ぶり)だったのですが、耳鼻科の薬を忘れてしまったので飲めませんでした。

あと食後はまだいいですが、その中でも昼食後や、あと食前などは結構抜けてしまいそうになります。

この感覚も大事だと思いました。

 

 

 

 

 

大体こんなところでした。

 

ある意味当たり前なのかもしれませんが、立場が変わると全然変わるということをブログに率直に書いてみました。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

インコ空を飛びそうです。

 

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